菩提院 (浄土宗 涅槃山 袋中寺)
Mokhatlo Oa Bolumeli Setsi Sa Bolumeli Temple Ea Buddhist 平古鍛冶町59, Iwaki, Fukushima, 9708026, Japane
About 菩提院 (浄土宗 涅槃山 袋中寺)
菩提院開山、袋中 (たいちゅう) 上人 (1552-1639) は、江戸時代、沖縄 (当時琉球) に念仏の教えを広め、多くの民衆を救い導き、さらに各地で教化活動に尽くした名僧として知られる。 現在のいわき市常磐岩ヶ岡が、上人の故郷。幼名は徳寿丸。幼い頃から才能あふれる少年だった上人は14歳で出家。良定と名を改める。専称寺、円通寺、増上寺、足利学校等で修行と勉学を積んだ後、「郷里の人々にも布教を」と帰郷し、数年間、成徳寺の住職を勤めた。 菩提院が開かれたのは慶長4 (1599) 年、上人は48歳の時のこと。磐城平 (いわきたいら) 13万石の領主・岩城貞隆の願いにより城内に建立し、菩提院と名づけた念仏道場がその興り。袋中上人に深く帰依していた貞隆により住職として招かれた上人は、渡明を志しこの地を離れるまで菩提院に留まり布教活動に邁進。城下には常に称名の声が響いたという。 上人は渡明を試みるも果たせず、琉球に3年間滞在。尚寧王の帰依を受け桂林寺を開山。教化に用いた念仏歌等が琉球の文化と融合し、現在のエイサーの起源と成る。 関ヶ原の合戦後、岩城氏改易により鳥居氏が城主になると磐城平城(大舘城)に代わって新たに平城が築かれ、同時に菩提院も城外へ移されて名を児島菴袋中寺と改めた。さらに二世良隠上人の代に菩提院町 (現・平十五町目) に移転。現在の地に移ったのは大正時代で、旧菩提院の地には勢至菩薩を祀る「廿三夜尊堂」と呼ばれる堂が建立された。女性を守る仏さまとして信仰を集め、正月3日と毎月23日には縁日が行われている。 菩提院の本堂には、鎌倉から室町期の作と伝えられている阿弥陀立像が本尊に、脇間には袋中上人像が祭られる。 また磐城地方一帯では袋中上人によって始められたとされる (起源については諸説がある) 念仏踊りの一種「じゃんがら念仏」が今も盛んに行われている。菩提院でも毎年8月13日に境内で奉納される。